カテゴリー : ハーレーのメンテナンス

オイル交換実践

オイル交換の基本

今回、実際のオイル交換方法の流れを見ていく時には、2002年式のヘリテイジ・ソフテイル・クラシック(FLSTC)を使います。

他ファミリーのモデルだと細かい部分で違いが出てきますので、ご自分がお持ちのモデルでの工程は、ショップでオイル交換をする際に確認するようにしてください。

エンジンオイル交換でまず最初にすることは、暖気、または周囲をしばらく走るなどしてオイルを暖めることです。

この作業には、古くなったオイルを抜く作業時に、オイルが抜けやすくなるようにオイルを柔らかくするという意味があります。

 

オイル交換をする時、そのまま捨てられるため廃油をオイルパックに直接受ける人が多いですが、古くなったオイルには様々な情報が詰まっています。

もし異物が混じっていたらトラブルを防げますし、そんなに長距離を走っていないにもかかわらずオイルがサラサラしているならエンジン内部が熱くなりすぎている可能性があります。

ですから、オイル受けを準備して抜いたオイルには注意するようにしてください。

オイル受けはホームセンターなどに行けば、手頃な値段で購入できます。

 

オイル交換時の注意点

車種によって場所は変わりますが、FLSTCだと車体の左下にエンジンオイルのドレンボルトがあるので、ここを緩めれば古くなったエンジンオイルが抜けてきます。

オイルが抜けやすくなるように、オイルタンクのキャップは外しておきましょう。

キャップをしたままだと、タンク内の負圧で抜けにくいからです。

オイルが全て抜けたら、ドレンボルトのOリングも交換、それからドレンボルトを締めます。

ネジ穴が壊れてしまうので、ドレンボルトは締めすぎないように気をつけます。

 

Oリングというのは、車体とドレンボルトに隙間ができるのを防いで、オイル漏れを防止するためのゴムの部品です。

エンジンオイルの熱など、様々な要因で変形してくるので、できるだけオイル交換する度に交換しましょう。

価格もそんなに高いものではありません。

 

また、シールテープをドレンボルトのネジ部分に巻くのもおすすめです。

シールテープは、ホームセンターで水まわり用品のコーナーで安く購入できます。

少し面倒に感じるかもしれませんが、Oリングを交換してシールテープを巻き、ドレンボルトからオイル漏れするのを防止するだけでも、エンジントラブルの原因を1つ減らせます。

 

オイルフィルターも忘れずに交換しましょう。

頻度としては、オイル交換2回に1回程度が目安です。

消耗品ですし、エンジンオイルが汚れた時にろ過する役割を持っているので、ずっとそのままにしておくのは良くありません。

なおオイルフィルターの取り外しには、フィルターレンチが必要になります。

緩めるとエンジンオイルが漏れてきますので、事前に床が汚れないように対策をしておきましょう。

 

オイルフィルターを取り付ける時には、フィルター内にエンジンオイルを注いでおきます。

こうすることでオイル交換が完了した後、オイルが回りやすくなるからです。

フィルターの取り付け口周辺に薄くオイルを塗っておくことで、取り付け時にOリングのねじれが防げ、フィルターの隙間からのオイル漏れも防止できます。

こちらも、締め付けすぎないように注意します。

 

順番としては、古くなったエンジンオイルを抜く、オイルフィルター交換、新しいエンジンオイルの注入となります。

オイルは多すぎても少なすぎてもトラブルの原因となるので、適正値を守って入れるようにします。

オイルキャップについているゲージできちんと確認しましょう。

使い方は、オイルを注ぎ込んでからオイルキャップを抜き差しして、上限(UPPER)と下限(LOWER)のラインの中間くらいにオイルが来るよう、調整すれば良いです。

暖まると油面は上がるので、エンジンが冷えている時に上限まで入れると、オイルを入れすぎているということになります。

 

オイル交換の注意点を簡単にまとめると、オイルを暖めてから抜く、廃油に異物が混ざっていないかのチェックをする、ドレンボルトとオイルフィルターは締めすぎない、オイルは適正量を守る、という4点になります。

交換ついでにパーツをキレイにすると、その後もしオイルがにじんだり漏れたりしていても、すぐに気付くことができます。