電気系統のメンテナンス

レギュレーターの予備を持っていると安心

電気系統のトラブルで最も多いのが、バッテリー上がりです。
バイクではライトやウインカーなど、さまざまな機能を働かせるために、電気が使われています。
操作に必要な電気は、バイクに取り付けられた発電機で電気が作られます。
しかし発電機で作られた電気が、直接バッテリーに送られるわけではありません。

発電された電気は電圧が高いので、レギュレーターという装置で最適な電圧に調節してから、バッテリーに充電されます。
そしてバッテリーに蓄えた電気でエンジンを始動させたり、ランプを点灯するなど、さまざまな動作を行っているのです。

このため何らかの理由でバッテリーに電気が充電されなくなると、バッテリー内の電気を使い切ってバッテリー上がりのトラブルが発生します。
バッテリーが上がると、バイクはびくとも動きません。

バッテリー上がりにはさまざまな理由がありますが、電気系統のトラブルの場合、事前に兆候が起こることが多いので、見逃さないようにしましょう。
バッテリー上がりの特徴的な兆候として、ランプの光が弱くなることがあります。
このような兆候が発生したら、バッテリーの電圧を確かめてみましょう。
テスターで電圧をチェックし、12ボルト以下であればバッテリーに充電が行われていないと考えて良いでしょう。

また、エンジンを空ぶかししても電圧が上がらないときは、レギュレーターが故障していると考えられます。
レギュレーターは発電機であるオルタネーターとバッテリーの間にあり、この2つのパーツと配線でつながっています。
レギュレーターの予備を用意しておくと、電圧が下がったときにすぐに取り替えることができ、バッテリー上がりを防ぐことができます。

レギュレーター交換は配線に注意

レギュレーターを交換する手順はまず、レギュレーターの配線とコネクターを抜いて、バイクから取り外します。
レギュレーターはフレームの配線はウインカーなどその他の配線と一緒に取り付けられていることが多いので、配線を間違わないよう注意してください。

その後、取り外しとは逆の手順で新しいレギュレーターを取り付けていきます。
このときに、配線が長く設定されていることがあるので、余分な配線をまとめて、じゃまにならないようにしましょう。
取り付けが完了したら、もう一度バッテリーの電圧をテスターで確認し、転圧が上がってれば完了です。

レギュレーターを交換しても電圧が上がらない場合は、オルタネーターが故障している可能性があります。
オルタネーターの修理は自分で行うのは難しいので、バイク修理店にお願いしましょう。

またレギュレーターの故障では、バッテリーに充電されないトラブルのほかに、レギュレーターが機能せずに、オルタネーターからダイレクトにバッテリーに送電され、バッテリ内の電気が高圧になることがあります。
このような状態で走行していると、電気系統がパーになってしまうので注意しましょう。
レギュレーターの故障に備えて、予備を用意しておくことをおすすめします。