カテゴリー : ハーレーの魅力

長い歴史を持つパンヘッド

ハーレー・パンヘッドの特徴

世界中に、熱狂的なファンの多いハーレーダビッドソンは、あまりにも有名と言えるバイクメーカーです。
日本にもいくつかのサークルがあり、観光地などではハーレーの集団を見かけた方も多いのではないでしょうか。
ハーレーといえば、良きアメリカを象徴するマシンですが、映画などにもたびたび登場しました。

チョッパーハンドルを始め、様々にカスタマイズされたハーレーに、憧れをいだいた方も多いと思います。
そんなハーレーの心臓部が、独自のサウンドをたたき出すエンジンといえます。
ハーレーでは、これまでいくつものエンジンを開発してきましたが、その中でも初期のハーレーを支えたモデル、パンヘッドをご紹介していきます。

パンヘッドの名前の由来

パンヘッドが、ハーレーの開発部で、産声を上げたのが1948年のこと、話しは今から半世紀以上も前の73年前にさかのぼります。
このエンジンは、ハーレー最初のアルミヘッドエンジンとなりました。
1948年から1950年代は、アメリカの良き時代とされ、アメリカンドリームに夢を持つ若者が多かったといいます。

この、パンヘッドが使われていたのは1965年までで、その後はショベルヘッドにその地位をゆずります。
パンヘッドの名前の由来は、ロッカーカバーの形状から来ているもので、パンはパンでもフライパンのことです。
つまり、ロッカーカバーのが、フライパンをさかさまにしたような形状に見え、そこから愛称として、パンヘッドの名が用いられました。

パンヘッドの特性と走行性能

ハーレーのパンヘッドは、次世代のエンジンであるショベルヘッドとほぼ同じ、18年間活躍してきました。
しかし、ショベルヘッドには、パンヘッドクランクが使われていたこともあり、自主的にはさらに長い年月、活躍していたとも言えます。
パンヘッドは、それまで使われてきた、ナックルヘッドの後継機として誕生しました。

ナックルヘッドも、優れたエンジンとして定評があったのですが、オイル漏れやオーバーヒートなど、様々なトラブルが生じていたのも事実です。
これを改善すべく、新たに開発されたのがパンヘッドの位置付けです。
シリンダーヘッドがアルミに変更になり、長年悩まされていたオーバーヒートは解消されます。
しかし、性能アップにつれ、オイル漏れを始めとする、様々なトラブルに悩まされることになります。

BMWに追い付け追い越せ !

話しは少しで押しますが、パンヘッドが開発された背景には、ドイツの名車BMWの存在があったといいます。
ハーレーがパンヘッドを、開発するきっかけになったからです。
ドイツでは、1930年代から、すでにアルミに着手しており、シリンダーやピストンの研究を行っていました。
その性能が明らかになったのは、1938年のイリノイ州スプリングフィールドでのレースのことでした。

当時アメリカでは、インディアンとハーレー2社が、圧倒的名がに君臨していました。
しかし、ドイツから参戦した「BMW500R5」は鋳鉄材ではなくアルミを用いたエンジンでした。
結果は、750㏄のバイクの中で、500㏄のバイクが圧倒的勝利をおさめ、それまでの考え方を改めざるをえないことを見せつけられました。