ショベルスポーツスターエンジンの特徴と仕様について
ショベルスポーツスターとは、ショベルヘッドという仕様のエンジンでOHV構造を採ったものです。
ハーレーダビッドソンは1940年代から1950年代にかけて、主にサイドバルブエンジンを採用していました。
しかし、その時代にはイギリスのBSAなどのライバルメーカーが高性能なOHV仕様のエンジンを開発して市販車に載せるようになります。
パワーがあり安定した走りを見せてくれるバイクによって、ハーレーダビッドソンは苦戦を強いられます。
そこで、新しいスタイルのOHV仕様のエンジンを開発することにします。
こうして生まれたエンジンの一つがショベルヘッドエンジンです。
このエンジンを搭載したモデルが「ショベルスポーツスター」と呼ばれ、高性能な技術を詰め込んだマシンとして大きな注目を浴びます。
このモデルのエンジンは、今までのKモデルのエンジンをボアとストロークを変更し、883ccの排気量で42馬力を出せるようにしています。
しかも、ゼロヨンスピードは15.0秒、最高時速は164キロを市販車として出すことができました。
ベースとなったモデルKは、エンジン部とトランスミッションが一体化した作りとなっているカセット式ミッションが組まれていました。
そのハーレーダビッドソンならではの技術をそのまま「ショベルスポーツスター」にも載せています。
このショベルスポーツスターの能力がかなり高く、現代のバイクにも通用するくらいの魅力があります。
もちろん、燃費や最高スピード、トルクなどはかないませんが、独自の乗り味が楽しいということで今でもファンの間で高く評価されています。
スロットルを回すと一気にエンジンが回って、軽さを感じるほどです。
また、トルクの乗りもスムーズで、良い意味でハーレーダビッドソンらしくないスポーティーさがあります。
もともと、ショベルスポーツスターのボディーは軽量化が図られているということもありますが、走りは軽快でレスポンスが良いというのもメリットです。
ショベルスポーツスターが採用された車種は?
ショベルスポーツスターは、1957年にXLモデルとして登場します。
その後、競技用としてチューニングされたエンジンがXLCに採用されています。
その後もXL系でショベルスポーツスターが採用されていきますが、途中で改良が加えられていきます。
たとえば、排気量アップを行い998ccに引き上げられています。
1978年には新しいCRフレームを使ったモデルが登場し、XLHとXLSがショベルスポーツスターの新しい顔として発売されます。
さらにCRフレームからXLXフレームに改良されたXLX-61が1983年に発表されます。
その後、85年に鋳鉄仕様でのショベルスポーツスターが登場したのを最後に、このシリーズが生産終了となります。