V-RodことVRSCは、ハーレーダビッドソン社が初めて水冷エンジンを搭載して世に送り出したバイクシリーズのことを指します。
ハーレーダビッドソンバイクの歴史を紐解く上では欠かすことのできない存在である、ということは言う間でもないでしょう。
それまでハーレーダビッドソンバイクと言えば、空冷Vツインエンジン、というイメージを覆した歴史的バイクとしても知られています。
ここでは、V-Rod、VRSCシリーズについて記述していきたいと思います。
VRSCファミリー
このシリーズには、2001年に登場したアノダイズドアルミによるクリアアルマイトで仕上げた、アルミ外装が特徴的な初期モデルをはじめ、さまざまなモデルが存在しています。
VRSCBはカバー類をポリッシュで仕上げ、エンジンも漆黒に塗装した特徴的な外観を持っているバイクで、VRSCDは先ほどのモデルをベースとしてビキニカウルなどが装備されています。
V-RODマッスルと表記されているVRSCFや、まるでスポーツバイクかと見紛うかのうようなシート高、新設計のサスペンションが搭載されたVRSCRも存在します。
また、2007年から登場したVRSCAWはV-RODと称され、ABSも標準装備しています。
V-ROD
2007年に登場したVRSCDXは、AWモデルをベースとして開発されたバイクで、フォワードコントロールを装備していることが特徴的です。
フロントマスクはDモデルとほぼ同様ですが、クーラントリザーバの位置は若干変更されています。
大容量の燃料タンクを搭載しており、それによりロングクルージングも楽にこなせるだけの燃料を注入することが可能となりました。
専用エキゾーストシステムは艶消し黒、すなわち漆黒の塗装がされており、バイクを特徴づけています。
ナイトロッドスペシャルとも呼ばれるこのバイクはハーレーダビッドソンバイクに見えないことが特徴であり魅力でもありますが、同時に欠点でもあると言えるでしょう。
やはりハーレーダビッドソンバイクと言えばソフテイルシリーズのようなスタイルをイメージする方が多いですから、その路線からややずれたこのシリーズは純粋なハーレーダビッドソンバイクファンからすると納得がいかないのではないでしょうか。
とはいえ、従来のハーレーダビッドソンバイクには見られなかったポイントなどもありますから、決して人気が低いわけではありません。
ハーレーダビッドソンバイクといえばどうしてもソフテイルのイメージが強く、人によってはこのシリーズは好きじゃない、という方もいるかもしれません。
しかし、実際にその音や走りを目の当たりにすると、れっきとしたハーレーダビッドソンバイクだと認識するはずです。